Smiley face
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中井貴一=東京都世田谷区、伊藤菜々子撮影
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 ふるさとをあなたへ――。岩手を舞台にした作家の浅田次郎さんの長編小説を原作に、日本の美しい原風景を描くドラマ「母の待つ里」(NHKBS)が21日午後9時から、放送されます。主演を務めるのは中井貴一さん。中井さんにとっての「ふるさと」とは、「母」とは。話を聞きました。

 「(映像化)する時、やってよ」

 原作小説の刊行前、作家の浅田さんにこう言われた。以前から浅田作品が好きで、この小説の推薦文を寄せたことがきっかけだった。

 「その時がきましたら……」

 そんな返事をしていたところ、思いがけず、実現した。

 中井さんは「母の待つ里」で、大手食品メーカー社長の松永徹を演じる。仕事人間の松永にとって、それは40年ぶりの里帰りだった。おぼろげな記憶をたよりに実家にたどり着くと、「母」(宮本信子)は笑顔で迎えてくれた。喜々として世話を焼いてくれる母、懐かしい家、懐かしい料理……。松永は安らぎを感じる。

 しかし、なぜだか、母の名前が思い出せない……。その人は、ふるさとを疑似体験できる高級サービスの「偽りの母」だった。

「故郷とは場所でなく人」 63歳、考えるようになった引き際

 社長としての孤独を抱える松…

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